以前乗車していた10tトラックで、大手飲料メーカーを扱う倉庫での話です。注意して作業していますが、失敗するのが人間です。ミスを恐れず作業しないといけませんが、ちょっとしたタイミングで起きちゃうんですよね・・・
今回の話は、トラックの運転ではなくて、積み込み作業時のフォークリフトによる事故なんです。事故と聞くと賠償金とか、気になるところですよね。
何をどうやったのか気になったあなたは、話の続きをどうぞ!!そうでない人も、ドライバーのやっちまったなぁ~の瞬間を、共感していただけたら幸いです。
後ろの方で・・・お前が悪い・お前が悪い・お前が悪い・お前が悪いって、ささやかないでくださいね!(^人^)お願いします。w
商品破損の原因は?
どんな時に起きたのか?それは、早朝(3:00)から自主荷役(自分で荷物を積み込む事)して配達をする仕事の時に発生しました。配送先荷物の検品を済ませ、積み込み作業にかかります。積み込み方法は、フォークリフトによるパレット積み作業になります。
商品がパレットに載せてあり、そのパレットを積み込む時に注意点があります。10tトラックの荷台に積み込めるパレット枚数が決まっていて、平らに積めるパレット枚数(1.1m×1.1m)は16枚です。
トラック積み込み略図について
トラック荷台の真ん中に、パレット2段重ねの図がありますが、実際の積み込みは「運転席・助手席」の後ろ側から、車両後方の順に行います。
パレット1枚の重さは約25㎏あり、商品込みになると人力ではとても動かせません。そこでフォークリフトの出番と言うわけです。パレットにはフォークリフトで運べるように、フォークリフトのツメを差し込む口があるんですね。
しかし、当日配達するパレット枚数が16枚以下とは限りません。この日の配達先パレット枚数は22枚ありました。規定枚数より多いですね。積めないじゃん・・・どうするの?って思いますよね。
配送の仕事に携わった事がない人に、ちょっと説明しますね。それはですね・・・単純に平らに積むとパレット枚数は16枚なので、余った6枚分は商品を積み重ね出来るように平らにして重ねるんです。(トラック積み込み略図の絵のように重ねます。)
そして、場所によっては、2段か3段重ねにします。「なぁ~だ、簡単じゃん」と思われるかもしれませんが、配達先が、1件とは限りません。普通に3件~5件くらい積み合わせがあるんです。
配達件数が多くなるとホントに大変です。荷物の積み間違いが起きないように、重ねる荷物をまとめる必要があります。配送先で荷下ろしの際、間違えるリスクを減らすためです。それと、配送時間が指定されている場所がほとんどなので、素早く荷降ろしをして、次の場所へ向かわないといけません。
これらの事を考えながら早朝3時から作業していると・・・パレットを積み重ねる時に、やっちゃうんです。リフトを慎重に操作しているつもりなのに、パレットの差し込み口から微妙にずれたのに気付かず(ヒューマンエラー)、「あっ!」って思ってブレーキを踏んでも、直ぐに止まれるわけではありません。フォークリフトのツメを商品に引っ掛けてしまい、ジュースの中身が噴き出して梨汁ブッシャー(ふなっしー)ですよ。www
やっちまったなぁ~って、頭抱えて・・・あっちゃ~ぁ(;゚Д゚)ですよ。
そんな事をやらかした時には出発できない上に、代替え品の準備など余計な手間が増えて、もう朝からパニックです・・・トホホです。
ドライバーが弁済するってホントなの?
大手企業なら商品破損事故の補償は、会社で対応してもらえると思いますが、中小企業などは、自腹のケースが多いと思います。破損した商品が少なければ、大した負担にはなりませんが、パレット丸ごと1枚分破損させたら、ドライバーは死活問題です。
会社では金額が大きい時には、分割で給与から一定の金額を決めて引き落としでした。だから、商品破損事故を起こす確率が高い人は大変です。そうならないように、フォークリフト操作の際は慎重にやらねばなりません。
もし、あなたがドライバーを希望しているなら、破損事故の賠償問題は、よく確認して下さいね。ちなみに、この時の弁済は、会社の規定で1事故につき数万円と決められていたので、数千円の物であっても数万円が、引かれる事になっていました。大損です(´Д`)
会社によっては、全額保証させられる場合もあるので、運転手はたまったもんじゃありません。会社で一定金額を支払ってもらえるのであれば、まともな会社だと思います。会社的には、事故を起こされると信用問題になるとは思いますが・・・。
ここでちょっと気になるお金の話です。労働基準法では、どうなってるのか?運転手に商品破損事故の支払い義務はあるのか?調べてみました。この記事を書くまで、気にもしていませんでしたが、驚愕の事実を知りました。
労働基準法ではどうなってるの?
労働基準法では、労働契約で違約金や損害賠償額を定めることを禁止しています。ただし、損害賠償請求額を労働契約で予定することは禁止されていますが、会社が従業員に対して損害賠償請求を行うこと自体は禁止されていません。
労働基準法は労働者側に、配慮した法律だと思います。
第2章 労働契約
労働基準法 昭和22年法律第49号最終改正:令和2年3月31日法律第14号
第16条(賠償予定の禁止) 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
しかし、損失を受けた側(雇用主側)に配慮した法律(民法)があります。労働者側に落ち度(過失)があれば、その分の負担は発生します。なので、過失分の補填を求められる可能性はあります。
民法 第5章 不法行為
民法第709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」
再発防止策はどうするの?
まず大事な事は、焦らず慎重にフォークリフトの操作に専念する。積み込み時間や配達時間のタイムリミットなど、集中できない事もありますが、まずは目先の積み込みに集中して、商品破損事故を起こさないように心がける。
※配達時間のタイムリミットとは・・・今回の集配センターでは12時に受付終了でした。
フォークリフトを操作する時は、パレットの差込口にフォークリフトのツメが、近づいた事を「指差し確認」する。その際「指差し確認ヨシ!」と声を出して作業する。目で確認し声に出す事で、注意喚起が向上し再発防止につながる。
この「指差し確認」の方法の事を「指さし呼称」と言うんですけど、事故後は習慣づけるまでかなり時間が、かかった事を思い出します。しかし、これらの事が身に着いたからと言って、100%事故は無くなりません。
なぜなら、マンネリ化すると緊張感がなくなるからです。そして、時間の経過とともに事故が起きる傾向が高まります。なので、絶対自分は失敗しないと暗示をかけ、緊張感を持続させる努力が必要だと感じて、フォークリフト作業の積み降ろしをやっていましたね。
まとめ
商品破損事故について
主な要因はフォークリフトの操作ミスです。その原因は、作業する中で配達時間のタイムリミットなどがあるため、精神的にゆとりがなくなり、積み荷を早く積もうとする焦りから、フォークリフトの微妙な調整が失敗となり、商品破損事故につながったと考えられます。
商品破損の弁償について
私が以前勤めていた会社では、商品破損事故を起こした場合は、1事故の金額に関係なく、数万円引かれていました。同じ人が何度も事故を起こした場合は、懲戒処分の対象になってました。基本的に、事故を起こそうと思って作業してる人はいないと思います。
事故を起こせば賠償責任は発生しますが、100%の賠償はする必要はありません。労働基準法によって、色々と権利は認められている事が分かります。
ここで、提案があります。トラック運転手も労働基準法や運行管理などについて、知識を少しでも持つように心がけませんか?そうすれば、自分の責任をより把握できる事になります。また、会社側も余裕のある運行スケジュールを組むなど安全意識を高める事で、商品破損事故も減少できるのではと思います!
再発防止策について
どうすれば再発防止できるかを考察した時、主な原因はヒューマンエラーなので、商品積み込み時には、焦らずに一つ一つの動作に集中して、操作ミスをしないように作業する。そして、パレット差込口の確認とその場所を指して、「指さし確認ヨシ」と声に出して作業をする事で注意喚起を図る。
以上、安全第一でフォークリフト作業をしましょう!
P.S.
偉そうに色々と語っていますが、残念な事に数日後やらかしてしまいました。この時は「指さし確認ヨシ」と声を出して作業する事に抵抗(事故再発防止の指さし呼称のはずが、癖になっていなかったのと、早朝で大声を出す事に、恥ずかしさもあり対策が不十分でした。)がありました。
焦らず作業はしていたのですが、商品段ボール(梨汁ブッシャーにはなりませんでした。)にフォークリフトのツメ跡を付けてしまいました。
さすがに会社でこっぴどく叱られました。自分では慎重にやっているつもりでしたが、結果注意不足でした。立て続けにミスをしてしまうと、メンタルのダメージが大きかった事を思い出します・・・^^;